語り手:
所沢駅から徒歩5分の場所にある、小さく洗練された空間のコーヒースタンド。わずか4席の店内には、近隣のコーヒー好きたちがひっきりなしに訪れる。店主の中村さんは、かつて吉祥寺の名店〈もか〉で深煎りネルドリップに魅了されたという。その影響を受け、インディゴブレンドのドリップを手掛ける。ドーナツドリッパーで抽出されたそのコーヒーは、赤黒い果実の甘酸っぱさと深煎りのコクが見事に調和し、余韻が乾いた甘さで広がる。
「冷めても濃くなりすぎず、ココアやダークチョコのような余韻が感じられる」と中村さんは話す。その日々の焙煎作業は、毎週定休日に深夜バスで長野のアトリエへ行き行う。コーヒーへの情熱と向き合いながら、洗練された一杯を提供し続けている。
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