語り手: 代表/高山 健二
豪徳寺の住宅街に佇む〈Chouette torréfacteur laboratoire〉は、料理人としてのバックグラウンドを持つ高山健二さんが2017年に開いたロースタリー。三ツ星フレンチで培った調理技術をコーヒーに応用し、素材本来の味を引き出す独自の低温焙煎を行う。「高温での焙煎は豆にストレスを与えてしまいます。料理と同じく、温度を下げることで繊細な風味を最大限引き出すことができます」。焙煎後1週間熟成させた豆は、浅煎りであれば甘さと余韻、深煎りでは心地よい酸味が際立つ仕上がりだ。
店舗では豆の販売やテイクアウトに加え、ロースターを目指す人々へのトレーニングが行えるシェアローストも提供。「良質なコーヒーを届けるだけでなく、次世代のロースターを育てたい」との思いが込められている。焙煎機の前で真剣な表情を見せる高山さんの姿は、かつて厨房に立っていた頃と同じ熱意に満ちている。
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