語り手: 店主 / 魚岸 大嗣
ドーナツとコーヒーの甘く軽やかなペアリング
高松の街の中心部に店を構えるロースタリーは、ドーナツと自家焙煎コーヒーを提供するユニークな存在だ。店主の魚岸大嗣さんは、スターバックスでの勤務を経て独立。2012年に、元ベーカリーの物件を活かし、高松の粉もん文化に根ざしたドーナツ店〈COPOLI DOUGHNUTS〉をオープンした。なによりも大切にするのは、軽やかさとバランス。「ドーナツはできるだけ口当たりを軽くすることで、素材の味わいが際立ちます。コーヒーも同様に、ドーナツとの調和を意識して仕上げています」。よりドーナツと相性のいいコーヒーを求め、2016年にはカフェスペースを併設し、自家焙煎をスタート。浅煎りから中煎りのコーヒーを提供している。
2023年にはCOFFEE COLLECTIONのNatural部門で準優勝し、ロースターとしての評価を高めた。この入賞を機に、コーヒーブランド〈JEFFERSON COFFEE ROASTERY〉を本格始動。さらに、高松のコーヒー文化を広げる〈カガワコーヒーテーブル〉の活動にも関わり、ロースター同士が集う勉強会にも積極的に参加している。「異なる視点やアプローチを取り入れることで、自身の焙煎にも新たな可能性を見出しています」。ロースターとして歩みを進める一方で、基軸にあるのはドーナツ。とはいえ、それは単なる引き立て役としてのコーヒーではない。コーヒーとしての個性を追求しつつ、最終的にドーナツと調和する味わいに仕上げる。
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