語り手: 店主 / 栗原 健
競技会で培った目利きが支える焙煎
2019年8月、さいたま市桜区にオープンした〈KURIHARA COFFEE ROASTERS〉は、荒川沿いのサイクリングロードに隣接する立地もあり、多くのサイクリストから口コミで支持を集めている。その結果、地域に密着したロースターとしての役割に加え、サイクリストたちの間でも広く知られる存在となった。「サイクリングの途中で立ち寄ってくださる方が多く、気づけば自然と疲れを癒しながら美味しいコーヒーを楽しめる休憩スポットになっていました。意外なことに、豆を買ってくださる方も多く、コーヒーを家でも楽しみたいという声をいただくのが嬉しいですね」。
オーナーロースターの栗原健さんとクオリティコントロールを担当する梨佐さん夫妻は、共にQアラビカグレーダーとQロブスタグレーダーの資格を保有し、コーヒー業界の競技会ではジャッジとしても活動している。その経験について「コーヒーの品質を客観的かつ的確に評価する力が身についたことで、いいコーヒーと悪いコーヒーの違いをしっかりと判別できるようになりました。そういうスキルアップもあり、ジャッジを続けています」と話す。焙煎の結果を理論的に分析し、細かな違いを深く理解する姿勢が、高品質なコーヒーを生み出す基盤となっている。また、競技会で得た知識や他のプロフェッショナルとの交流を活かし、より洗練されたコーヒーを提供し続けている。
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