愛知県瀬戸市に店を構える、数少ないブレンドコーヒー専門店。店を率いる本田順也さんは、パティシエやコックを経て、ブルーボトルコーヒー、lohasbeans、TRUNK COFFEEなど数々の名店で経験を積んできた。料理的な感覚と世界のトップシーンで培った感性を掛け合わせ、複数の豆を組み合わせることで生まれる調和を追求している。「世間では依然としてブレンドのニーズが高いと感じています。単体では手が出ないような高価な豆も、ブレンドにすることで手の届く一杯になる。シングルオリジンが主流となる中で、あえてブレンドに軸を置くことで、自分たちなりの差別化を図っています」。

また、フランス菓子店で修業を積んだ経験を活かし、バームクーヘンをはじめとしたスイーツも豊富に用意。コーヒーとお菓子、それぞれの個性が引き立つ組み合わせを意識している。さらに、瀬戸焼の技術を生かした設計のtukumoを開発するなど、道具づくりにも余念がない。「リブをなくし、角度を最適化することで、ペーパーを密着させ粉とお湯がしっかり触れ合う構造にしています。湯抜けをスムーズにするために、高さや爪の形状にも細かく調整を重ね、抽出のコントロール性と味の再現性を高めています」。