語り手: オーナー / 趙 乾英博
雲南から東京へ。味の記憶を手渡すコーヒーショップ
一杯のコーヒーで、どこまで世界を感じられるか。そんな問いに向き合うコーヒーショップが、両国にある。運営するのは、上海出身の趙乾英博(チョウ・カンエイハク)さん。中国・雲南省に特化したダイレクトトレードを行うインポーターMountain Moverのオーナーでもあり、2025年4月に実店舗〈mmc〉を立ち上げた。当初はその活動の延長線上としてスタートしたが、今後は独自のスタンスで、雲南をひとつの産地として見直しながら、世界各地のスペシャルティコーヒーを扱っていくという。
看板メニューの「コーヒーコンボ」は、同じ豆を使ったアメリカーノとラテ、そしてシグネチャードリンクの3種をセットで提供。抽出方法やアレンジによる味わいの違いを通して、豆の持つ個性を立体的に伝える構成になっている。「ロースターでもインポーターでもない。私たちは“コーヒーの体験”を提供したいんです」。単に美味しいコーヒーを出すだけでなく、その背景や表現までも伝える場所として、独自のポジションを築いている。
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