語り手: 店主 / 花村 友樹
一杯の向こうにある、やさしい循環と小さな幸せ
愛知県知多市にあるオワゾーコーヒーには、特注カラーの青いGIESEN W1Mの焙煎機が鎮座する。店主・花村友樹さんは、名古屋の名店〈ペギー珈琲店〉で抽出技術やサービス、経営の本質を学び、独立後は独学で焙煎を深めていった。そして2025年、GIESENで焙煎したロースター同士が豆を持ち寄り、カッピングで技を競うROAST RUMBLEで優勝。「地道に続けてきた焙煎が形になったようで、素直に嬉しかったです。最新の機械ではなくても、向き合い続けた時間が味に現れることを証明できた気がします」。
焙煎において 、花村さんが追い求めているのは「正解」ではなく「日常の豊かさ」だ。浅煎りから中深煎りまで幅を持たせつつ、焙煎度をあえて固定せず、再現性にも縛られない。ブレンドも季節ごとに表情を変える。さらに、開業当初からCoresゴールドフィルターを用い、抽出後のコーヒーかすや焙煎で出たチャフを地元資源と合わせてコンポスト化し、地域の農家へ還元している。「コーヒーからゴミを出さない仕組みをローカルロースターとして日々追求しています。何気ない一杯が自然とエシカルな選択につながれば嬉しいです」。
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