語り手: 店主/高橋 好行
八王子の隠れ家で楽しむ、からだに優しい深煎りコーヒー
八王子の静かな街角に佇む〈珈琲生活館〉。ここでは、一杯のコーヒーに込められた物語と情熱を感じることができる。その始まりは1980年代初頭、店主・高橋好行さんが月刊誌で目にしたカフェ・バッハの講習会に参加したことから。半年間にわたる焙煎技術の学びが、1983年に神奈川県茅ヶ崎市での初めての店舗開店へと繋がった。しかし、一度は店舗を閉じ、サラリーマンとしての生活を選んだ。その後、再びコーヒーへの情熱に火が灯り、1996年に八王子で〈珈琲生活館〉として新たなスタートを切った。
モットーは「からだに優しい、からだが喜ぶコーヒー豆を提供すること」。特に深煎りコーヒーへのこだわりが強く、その目指すべき味わいは「深煎りでも爽やかで、苦味だけでなくスッキリとした後味」。何より大切にしているのは、焙煎で引き出される甘み。試行錯誤を繰り返し、理想の味に近づけてきたそのコーヒーは、飲む人の喉越しを心地よく包み込み、苦味が残ることなく甘みが後を引く。日々の工夫と情熱が注がれたその一杯は、どこか優しく、心に寄り添ってくれる。〈珈琲生活館〉のコーヒーには、ただの飲み物を超えた、深い温かさと豊かな余韻が感じられる。
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