語り手: 店主 / 山本 順平
ちょっと聞きなれない店名〈solkatt(スールカット)〉とは、北欧の言葉で“陽の光の反射”を意味するものが由来。「光の反射は、形を変え、無限に広がっていく」。店主・山本順平さんは、その言葉に、自身のコーヒーが多くの人々に広がり、楽しさや魅力が伝わってほしいという願いを込めた。京都で7年間バリスタを務めた後、単身ベルリンに渡り、4年半にわたって抽出や焙煎の技術をさらに研鑽。帰国後は、京都と大阪で5年間ロースターを務め、2024年9月に独立。「祖父が営んでいた自転車屋の跡地」という馴染みのある場所に店を構えた。
メニューはコーヒーに特化し、フィルターコーヒーやカフェラテなどのエスプレッソドリンクを中心に、シンプルさを追求したラインナップ。「地元の方にもっと気軽に来ていただきたい」という思いから、常連客向けに、週ごとや月ごとのコーヒーカードを導入し、コーヒーを楽しめる工夫もしている。今はシェアローストを利用しているが、「将来的にはこの場所に焙煎機を設置し、焼き菓子なども提供して、新しいコーヒー文化をここから発信できれば」と山本さん。思い出が詰まったこの場所が、新しいコーヒーの価値を育む拠点として息づく日もそう遠くはない。
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