京都の街並みに溶け込むシンプルで洗練された空間。その背後には、ひと味違った熱意が宿っている。〈STYLE COFFEE〉の店主、黒須工さんは、喫茶店やバールなどのさまざまな業態で鍛え上げた経験を持つ。そして、その経験をもとにメルボルンへ渡り、バリスタとしてのスキルを磨く。帰国後は、京都の〈WEEKENDERS COFFEE〉で店舗運営と焙煎を学び、2019年には自らの店〈STYLE COFFEE〉を開店。一度足を踏み入れると、そこはまるで黒須さんの哲学が息づく場所だと感じさせられる。店内の空間には、余白を意識しながら「美しさ」を潜ませる独自の美学が広がっている。「現状に満足せず、常に新しい挑戦を続けることが大切」。その言葉どおり、日々試行錯誤を繰り返し、コーヒーの焙煎においても絶え間ない進化を遂げている。

どこかしらにある「美しさ」の追求が、単なる一杯のコーヒーにこだわりを込め、その魅力を引き出している。その「所作や見えない部分に宿る美しさ」という哲学は、まさにそのまま〈STYLE COFFEE〉の姿勢に通じるものだ。この店では、味わうだけでなく、空間を感じ、そしてその中に込められた思いを知ることができる。