バリスタが教えたくなる、子どもから大人まで使えるコーヒー抽出器具「アメリカンプレス」

圧力による強い抽出力と超微細な目のスチール製フィルターで、手軽なおいしいコーヒーを短時間に抽出できるアメリカンプレス。
「浸漬式のフレンチプレスと圧力で抽出するエアロプレス2つの要素を合わせ持ち、コーヒー以外にも紅茶や日本茶、出汁などにも使えます」。そう語るのは、アメリカンプレスのアンバサダーを務めるCafe Stock35の川田童夢さん。アメリカンプレスを色んな方々に知ってもらうためのTeam American Pressを率いる。
そんな川田さんに、アメリカンプレスのおすすめポイントを、WESTSIDE COFFEEのオーナー西方優さんが聞きました。
アメリカンプレスを広めるために

まずTeam American Pressってなんですか?

アメリカンプレスを大勢の方に知ってもらうために、コーヒー業界でない方にもお手伝いいただいて、コーヒーって簡単に淹れられるんだということを伝えるためのチームです。


どんな方がいらっしゃるんですか?

主婦の方や秘書、バスの運転手からお坊さんまでいろいろな方がいます。


活動しているきっかけはなんですか?

現場に立っていたいということです。カフェをやっている限りは目の前でコーヒーを淹れたいし、ダイレクトに会話をしたいということがあるので。いろいろな形でいろいろな方にいろいろな場所でコーヒーを淹れたいなと思っています!

それは僕も一緒ですね。会社員時代はスーパーバイザーをやっていたので、お客様と直接接する機会があまりありませんでした。
エンドユーザーの方に直接「ありがとう」と言ってもらえるのが好きだと再認識した事も、お店を始めるきっかけの一つでした。
フレンチプレスでもなくてエアロプレスでもない?

フレンチプレスでもなくてエアロプレスでもない。なぜアメリカンプレスなんですか?

一番のきっかけは紅茶を淹れるところがスタートだったんですよ。紅茶を美味しく淹れられる器具ないかなと探してたら、アメリカンプレスで抽出してる人を見つけたんです。コーヒーも紅茶も抽出できるという魅力に一瞬で引き込まれたんですよ。

コーヒーではなく紅茶きっかけなんですね。


そうなんです。試しに使ってみたら、紅茶を美味しく簡単に抽出できて。それでコーヒーを淹れてみたらフレーバーがあって安定感もある。アメリカンプレスの構造とか理屈を調べていったら取り込まれたというか。ここ10年で一番ジャストフィットした器具ですね。

触っても本体が熱くないですね。

本体はガラスではなくトライタンという素材で、しかもダブルウォール加工なので熱いお湯を入れてもそのまま持てます。耐衝撃性も抜群なので落としても割れる心配はほとんどありません。保温力もあり、30分程度は温かさを維持してくれます。フレンチプレスやエアロプレスもいいところはあるんですけど、誰にでも使えるという魅力はこれを置いて他ないかなと。誰でも使えて美味しく抽出できる。

自宅で簡単に美味しいコーヒーが抽出できるのはいいですね!

家でコーヒーを飲まれる方は、カフェでその店のコーヒーが美味しかったら、そこの豆を買って帰ってくるという人が多いと思うんです。それで家で淹れてみると「あれ?」っていう方が結構いらっしゃいます。その対応ができるのがこの器具だなと思って、そこからアメリカンプレスを使い続けています。

アメリカンプレスの特徴

具体的なアメリカンプレスの特徴を教えてください?

浸漬と圧力と両方使える器具です。フレンチプレスと一緒で浸漬式はブレが少ない。フレンチプレスはちょっと舌触りがザラつくと思われる方も多いと思うんですけど、アメリカンプレスのスチール製フィルターは微粉を通さないくらい目が細かく作られていて、舌触りがなめらかでクリアに感じます。

微粉が少ないんですね。

さらに圧力かけてるからコーヒーの芯まで抽出できます。フレンチプレスとエアロプレスのいいとこ取りで、安定感もあって美味しく抽出できます。

使いやすいですよね。

もともとアメリカの物理学者がコーヒーをフレンチプレスで飲んでて、自分でこんな器具があったらいいなというところから生まれました。コーヒー関係の方が作った器具ではなく、コーヒーをより美味しく飲むために作りだされた器具なんです。

見た目もスタイリッシュでいいですね。

プロダクトデザイナーでもあったので、デザインがスタイリッシュですよね。
抽出方法

抽出方法を教えて下さい。

フレンチプレスとエアロプレスと同じように2つに分解できる構造になっていて、カラフェの方に約355mlのお湯を入れてます。ポットの蓋を開けてコーヒーの粉を約20g入れます。それをセットしてコーヒーを浸漬されるくらいまでプレスをしていったん止めて1分ほど蒸らします。蒸らし終えたら1分かけて下までプレスしていくと、お湯がポットのコーヒーの粉を通って上の部分に約290mlのコーヒーが出来あがります。

滴垂れしませんね。

注ぎ口が滴垂れしない設計になっているので容器やテーブルを汚すこともありません。
レシピ

豆の粗さとお湯の比率は?

お湯はカラフェにも355mlのラインがありますが、それに対して浅煎りで21g、深煎りで20g。1杯どりだと250mlに浅煎りで17g、深煎りで16g。中挽きの粗さが推奨の挽き目です。

それは川田さんが考えたレシピですか?

初めて使わせてもらったときに、基本的なレシピがありますというのを教えていただいて、その通りやったらベストだったので。好みやシチュエーションに合わせて変えたりはしていますが。
相性のいい豆

相性のいい豆とかはありますか?

どんな豆でも対応できるというのがアメリカンプレスのいいところかなと思うんですけど、浅煎りの豆って一般の方にはけっこう酸っぱいとかイメージを持たれがちじゃないですか。


そうですね。

なんですけど、アメリカンプレスで抽出すると圧力をかけてくれるので、人の手によって味がぶれません。それとフレーバーが際立つので浅煎りの華やかなでフルーティ感じを余すところなく抽出できます。圧力をかけてコーヒーの芯までお湯を行き渡らせるので、そういった面では浅煎りはおすすめかなと思っています。もちろん、深煎も甘さを最大限に引き出してくれるのでおすすめです。

たしかに、フレーバーを感じつつ心地よい口当たりでした。うちの目指すコーヒーもそういう感じなので導入を検討してみたいですね。

ハンドドリップをやってる最中は他の作業はできないと思うんですけど、アメリカンプレスでは1分蒸らしのところまでやってしまえば他のことができるんですよ。1分たったらプレスをするだけなので、オペレーションの意味でも使いやすい器具だと思います。お客様にプレスして楽しんでいただいただくこともできます。

お子様は喜びそうですね。

イベントなどでご家族でいらっしゃる方も多いですが、お子さんは「押した~い!」ってきますよ笑 安全性も高い器具ですからお子様でも抽出できます。お子様が抽出している写真を送ってきてくれる方もいらっしゃいます。

ふむふむ。

それと、スタッフが複数の場合、抽出するには絶対人によるブレってありますよね。アメリカンプレスではそれがないので、お客様への信頼度という部分ではかなり高いと思います。

深煎りも浅煎りも美味しく抽出できるのはいいですね。酸味が苦手なお客様も多いので。

粉の芯まで抽出してくれるので、冷めた時の甘さが尋常ではないくらいでているのでその点でもネガティブな酸味は感じない。
洗浄も簡単で清潔に保てる

洗うのにいろいろな部品がありますけど、面倒ではないですか?

洗浄は楽です。分解もできるので清潔に保てます。紙を使わないのでエコですし、ポットの中の粉を捨てるだけであとは軽くすすいでいただければ。
アメリカンプレスのおすすめの使い方

コーヒーと紅茶以外でおすすめの使い方はありますか?

一緒にイベントやってた料理家の方で、本格的なお出汁をこれで作ってました。出汁をとるにはひと手間ふた手間あるらしいんですけど、ポットの中に全部つめてプレスするだけなので短時間でできるそうです。あと余ったフルーツの切れ端などを入れて水入れてデトックスウォーターを作ってる方もいました。

最後に、今後の川田さんの展望を教えて下さい。

理想は高く最高のものを最高の状態でエンドユーザーの方に、というのが理想なので、埼玉県にCafe Stock35をオープンします!週に3回は利用してくれる方を作りたいなと思っています。

WESTSIDE COFFEEもそこを目指しています。

楽しみ半分不安も半分笑
