Only Roaster(オンリーロースター)

ザッセンハウス社(ZASENHAUS)グラインダー「バリスタプロ」の実力を探る

2021.09.19

150年の歴史を持つドイツの老舗メーカー、ザッセンハウスが長年に渡る技術を結集させた新しいモデル「バリスタプロ」。

「お話をして、しっかりと淹れ方を説明していただける企業さんと取り組みをしたい」と話すのは、ザッセンハウスの販売代理店NAVY代表の佐藤史紀さん。多くのロースターを巡り歩いた中で強く感じた場所が、八王子にある人気ロースターのカザーナコーヒー

代表の栗原さんは「いいミルがあったら日常のコーヒーのクオリティが向上する!」と、ミルの重要性を伝える。

「バリスタプロ」を選んだきっかけ

栗原 崇

良いミルが普及したら日本のコーヒー文化が変わるんじゃないかと思ってて、今までずっとオススメ出来る良いモノを探していたんですけど、なかなか「これだっ」ていうモノが見つからなかったんです。そんなところに佐藤さんが飛び込んで来てくれて。

佐藤 史紀

ありがとうございます!

ワークショップをやられてるということが僕の中で引っかかりまして。イコール、コーヒーの淹れかたを伝える場所。

150年続く歴史を持つザッセンハウスを自信を持って売るにはロースターさん、お話をしてしっかりと淹れ方を説明していただける企業さんと取り組みをしたいなということがうちのモットーでもあります。

栗原 崇

ソルトミルやペッパーミルよりも先にコーヒーミルを作ってらっしゃったんですね。

栗原 崇栗原 崇 (くりはら たかし)。Khazana Coffee代表。1976年埼玉県生まれ。2006年にカザーナコーヒーを夫婦で創業。素材(生豆)の品質に拘り、焙煎〜抽出を独自に試行錯誤を繰り返しながらコーヒーの魅力を探究し続けている。
佐藤 史紀

はい、2000年に『CeraPlus グラインディングギア』を開発し特許を取得しました。

ソルトミルペッパーミルはCeraPlusグラインディングとよばれるセラミックミルシステムを採用しています。コーヒーミルですと、バリスタプロはステンレス鋼、他の商品は硬質特殊銅です。ステンレス鋼ですと切り刻んでいくイメージ。コーヒーは油と水分があるからスパッと切れるもの。ソルトペッパーは水分がほとんどないものが多いので、クラッシュしたほうが香りが出ます。

切る素材によって使い分けてるのがザッセンハウスのこだわりです。

栗原 崇

よくお客様から自宅ではお店で飲むような仕上がりにならなくて、というお声を戴きます。その際に先ず「豆から挽いているか」を確認します。

香りも風味も抽出時の膨らみ方も断然挽きたての方が良い。粒度が揃う良いミルを使うと仕上がりもより良くなるし、簡単に「メッシュ(挽き目)」の調整が出来たら「豆量」の変化と併せて様々な仕上がりを愉しめる。

コーヒーの世界がグッと広がると思うんです。バリスタプロは手に取った瞬間にお薦めできる良いグラインダーかもしれないと直感しました。

佐藤 史紀佐藤 史紀(さとう ふみのり)。NAVY co.代表。16歳から36歳まで、アメリカンフットボールを経験。一年間の海外挑戦や日本最高峰のXリーグでもプレイする。海外の生活から、文化やココにしかない価値観を学び、30歳からコーヒーの世界へ。海外ブランドをいくつか経験し、2021年8月に独立。ザッセンハウスの販売代理店として、拘り企業様への卸しと、アウトドアコーヒーを提案。
佐藤 史紀

選んでいただいた決定的な理由みたいなものはありますか?

栗原 崇

いやぁ、飛び込みの営業でやってきた佐藤さんのアメフト上がりのタックルがもう凄くて笑、って、すみません。。。1番は何と言っても挽いた粉の「粒度の均一性」です。

佐藤 史紀

栗原 崇

それから、サンプルを手渡して頂いた時のずっしりとした良い重さ。手に持った段階で本物の予感がしたんですよ。

佐藤 史紀

軽いとぶれてしまうので、重いというのも重要かなと思っています!

周りはアルミで、刃が7、8割の重さを占めています。

材質・構造について

栗原 崇

刃が7、8割の重さって、それがあの挽き心地の良さに直結している訳ですね?

佐藤 史紀

はい。浅煎りはザクザクと、深煎りは柔らかいのでサクサクという表現が合うのかなと思っています。

栗原 崇

とにかく挽き心地の良さは衝撃でした。引っ掛かりや空回りが無いんですよ。

あと、押さえる方の手に馴染む感覚も良いですね。表面がツルッとしてないから滑らずに安心してグリップ出来る。

佐藤 史紀

これは細かな凹凸がある「ローレット加工」といわれるデザインが施されていて、握力のない方でもきっちり抑えられます。

北欧の家具とかもそうですが、ドイツの質実剛健とかデザインが機能になっているのも重要なポイントです。

あとハンドルの角度、ある程度長さがあってテコの原理ですよね。まっすぐよりも回しやすい。

栗原 崇

確かに!

佐藤 史紀

ハンドルにベアリングが2つ入ってますので、くるくる回り続けます。

栗原 崇

これ面白いですよね。ピタゴラスイッチ的な面白い動画が撮れそう笑。 今度、店内のデコレーションでやってみようかな。ハンドルにモービルぶら下げて、ひたすら回し続けるみたいな。。。

段々数を増やして最終的にはバリスタプロ20台位のハンドルが店内でくるくる回ってる。

おーっと話が脱線してしまいました。ザッセンハウスさんの製品を手にするとついインスピレーションが湧いてきちゃって。

佐藤 史紀

栗原 崇

恐るべしハンドルのベアリング。。。

あと、メッシュ調整のクリック式のノブも安心感がありますね。レシピの再現性も高い。

佐藤 史紀

小さい丸と大きい丸がありまして、大きい丸にすると粗挽きに、小さい丸にするとエスプレッソになリます。いったん小さい丸のほうにダイヤルが動かなくなるまで戻し、そこを0として考えてもらいます。一周12目盛り、ペーパーですと30~36くらいのクリックの間で挽いていただく事が多いです。約60段階くらい。10~12くらいで極細のエスプレッソの挽き目になります。

挽いて、淹れてみる

栗原 崇

実際にMahlkonig EK43で挽いたものと比較してみましょう。 ちなみに今、浅煎りを23g、38クリックで挽く時間を計ったら30秒でした。

佐藤 史紀

粒度の感じは、、、どうでしょう?

粒度比較。左がバリスタプロ、右がMahlkonig EK43。
栗原 崇

これは何も知らされずに出てきたらどちらか当てるのは難しそうですね。粒度の感じは同等と言って良いと思います!

それではこれからハリオのスイッチと、ユニフレーム社のバネットを使用したドリップと2通りで抽出してみましょう。

佐藤 史紀

浸漬式と透過式での飲み比べですね。

栗原 崇

EKの方は僅かに軽やかさが感じられるのに対して、バリスタプロは芯のしっかりした力強さが感じられました。

佐藤 史紀

EKは口に入れた瞬間、コーヒーが横に広がる感覚で口当たりがまろやかな感覚ですね。バリスタプロは、コーヒーが喉にストレートに入ってくる感覚で香りが感じますね。酸味はEKの方が感じました。

栗原 崇

要因を推測すると、EKはフラット刀なのに対して、バリスタプロは超低速のコニカル式だからなのか、と思いました。

性能としては遜色ない、と言えるかと思いますし、手挽きのミルとしての性能はやはり素晴らしいと思います!

メンテナンス

佐藤 史紀

良いものはメンテナンスが必要です。車やバイクが好きな方は、ご自身でメンテナンスをやるように、コーヒーミルも道具としてメンテナンスして欲しいです。

有名な車の企業さんに教えて貰った言葉が印象的で、セールストークにもしております。それは、「アナログは直せる」です。

ザッセンハウスのコーヒーミルもいわばアナログ。壊れるという事ではなく、定期的にオーバーホールをして、お掃除して欲しいですね。

栗原 崇

メンテナンスも楽しめたら素敵ですね。

佐藤 史紀

鋭い刃の角にコーヒーカスが溜まると、溝が埋まって切れ味が悪くなった感覚になります。メンテナンスはこれをブラシで取り除くだけでいいんです。

栗原 崇

シンプル!

佐藤 史紀

分解も簡単でササっと掃除するだけなら2タッチで刃を外せます。ハンドルを取って支柱についた丸いネジを右回しに外します。支柱を下に押せばこれでメインの上の刃を外す事ができます。

栗原 崇

あとはブラシで掃除するだけですね?

佐藤 史紀

はい。バリスタプロのメンテナンスは、挽いた後の掃除がポイントです。

ステンレス刃なので匂い等は付きにくいですが、深煎りを好む方はよくメンテナンスをした方がいいです。深煎りはコーヒーの油がでるので、掃除をしないと粉がこびり付いてしまい、コーヒー豆の挽き具合にムラがでる原因にもなります。毎日使う道具を愛して頂ければ、長く使う事ができます。

栗原 崇

専用のブラシも付属していますし、エアダスターもあると便利です。

佐藤 史紀

是非、カザーナコーヒーさんでバリスタプロを実際に手に取り「サクサク感」を体感してください。もちろん、コーヒー豆の品質、淹れ方にも拘りのお店、オーナーやスタッフさんに、バリスタプロはもちろん、淹れ方も訊いてみてください。オーバーホールについては、Instagramに掲載しております。

ザッセンハウスの強み

栗原 崇

手挽きミルもたくさんいろんなメーカーからいろんな種類がでてきてますけど、これがザッセンハウスの強みだってところは?

佐藤 史紀

刃の部分です。

ザッセンハウス製品のハヴァナやサンティアゴなどの刃とそこまで型は変わっていません。材質をステンレス鋼に変えただけということは、150年前から最先端を作っていたということかと思っています。当時の材料で最先端を作っていたと。ソルトペッパーミルも特許を取ったということは、誰もやれていなかったという技術ということですから。

栗原 崇

なるほど。

佐藤 史紀

それと、アウトドアに持ち出して欲しいですね。香りが充満したりして。コーヒーの香りは癒しの効果とかもありますし。香りが違うのもポイントだと思います。それは刃の性能が生み出しているものだと思います。

栗原 崇

良いミルと良いコーヒー豆。品質の良き理解者が増えると良いですね。

佐藤 史紀

ある程度良い金額のする製品ですので、メンテナンスの重要性をご理解いただけるかなと思います。

栗原 崇

それで末長く付き合っていけたら。

佐藤 史紀

メンテナンスも難しいものではないので。他製品で金色のハヴァナはYouTubeでオーバーホールしてる方が多いです。そこまでアップしてくれる方が増えるといいですね。

栗原 崇

コーヒーに関してザッセンハウスは脱線しないと。

佐藤 史紀

はい、まっすぐに笑

Photos & Interview & Editor: 疋田 正志、Text: 疋田 正志・栗原 崇・佐藤 史紀