異なるアプローチのロースターが語るコーヒー哲学──堺原拓人×小玉真知

使用する焙煎機の特性、時間と熱のコントロールの違いによって、その手法も大きく変わる。短時間で素材の良さを引き出す手法もあれば、じっくり火を入れることで味を深めるスタイルもある。焙煎機の選び方、温度管理のこだわり、香りやデータを頼りにする感覚の違い、細かなディテールの中に、それぞれの焙煎士の哲学が表れている。
今回の対談では、国内の競技会で結果を残してきたCoffee Wrightsの堺原拓人さんとou.bai.tou.ri coffee roastersの小玉真知さんが、それぞれの視点から語り合う。堺原さんは鋭い分析力と緻密なデータ管理を駆使し、短時間で個性を際立たせるスタイル。一方、小玉さんはじっくりと火を入れながらコーヒーの持つ奥行きを引き出すアプローチをとる。
特徴が異なる二人だが、どちらもコーヒーへの深い探究心を持ち、焙煎という仕事を突き詰めている。競技会を制した者同士だからこそ語れる視点と、焙煎を通じて見つめるコーヒーの魅力。その対話から、焙煎という仕事の奥深さが浮かび上がる。
コーヒーに目覚めた瞬間と焙煎の始まり

コーヒーに興味を持ったきっかけは、スターバックスでのアルバイトでした。約1年間働く中でコーヒーの面白さを感じるようになり、ちょうど宮崎でも浅煎りのスペシャルティコーヒーを提供する店が出始めて。
そのコーヒーの味わいに衝撃を受け、東京でもっと深く関わりたいと思いました。抽出ができるようになったら焙煎にも興味が湧き、ちょうど今の店でロースターの空きのポジションがあったので、見習いとしてキャリアをスタートしました。

私は、もともと食に関心があり、フードコーディネーターの勉強もしましたが、手先を使う作業は得意ではなく、自分に合った関わり方を模索していました。そんな時、友人の家で飲んだスペシャルティコーヒーの美味しさに驚き、興味を持つようになりました。
コーヒー豆自体の味を決めることができることで、深掘りしたくなっていきました。手先の作業が苦手でも、素材そのものに関われるというのが、自分に合ってるかもしれないと思ったんです。それで焙煎を始めてみたら、すごくしっくりきました。


焙煎をやりはじめて、最初に焼いたのはデカフェだった記憶があります。当時はローストレベルが結構深めだったので、浅煎りと比べて割と調整の幅が利くというのもあって。

私は堺原さんと違って、独学で焙煎をはじめて。セミナーに行ったり本をたくさん読んだりもしたんですけど、海外のロースターさんのYouTubeを見たりして勉強しました。
最初の焙煎はガスコンロで手網でした(笑)。でも、手網焙煎は豆の状態がよく分かるので、学びのスタートとしてはとてもよかったと思います。

焙煎の美学と忘れられない一杯に込めた思い

最近エチオピアに行ってきて、現地の「コーヒーセレモニー」を体験たんですけど。日本の茶道みたいな形で、生豆を焙煎して、その場で抽出しておもてなしするみたいな文化があるんです。
普段、精密な温度計やデータを活用して焙煎をするんですけど、それとは全く違って真逆っていうか、すごくプリミティブな形のコーヒー体験で。我々からすると、すごく乱暴な焼き方みたいな。フライパンで炒めるシンプルな焙煎で。
電動グラインダーもないので、臼と杵で豆を挽き、直火で沸かして飲む。フィルターとかなく、上澄みを飲むスタイルですが、それが殊の外美味しい。ちゃんとエチオピアのテロワールの味もするし原始的な味がして、その一杯は忘れられません。

私は、家でデロンギの家庭用エスプレッソマシンを買って、どうやるんだろうみたいなドキドキしながら頑張って淹れた浅煎りの一杯。当時は何もわかっていなかったのが、今は知識が増えて先入観が影響することもありますが、当時の雑念がなかった純粋な一杯は忘れられません。

知らない状態って後から体験できないじゃないですか。知らない状態の時にしか感じられないことってあるから。
どうしても知識が増えていくほど、経験から判断しちゃう。

すごくわかります。何も知らなかった頃の純粋な驚きとか、直感的な感覚って、後から再現しようとしても難しいですよね。
焙煎のアプローチに見る個性

うちの焙煎は比較的短時間で仕上げるのが多いです。一般的に浅煎りは8〜9分くらい、長いところで10分くらいかけることが多いですが、うちは7〜8分くらい、それこそ「COFFEE COLLECTION」に出したエチオピアのタミル・タデッセのALO Berryは6分台後半くらい。あまり時間をかけずにサッと焼いて、素材のいいところをできるだけ活かしたいなと思って。
焙煎機は、ちょっと古いドイツ製のPROBATを使ってます。1960年代のヴィンテージで、釜のサイズが12kgまで焼けるものです。

それは、早くやるために、意図的に時間を短縮させてるんですか?それとも、焙煎機の特性上、早く蓄熱で焼けるとかですか?


PROBATの焙煎機の特徴って鉄が重たくて、熱を蓄える力が強いといわれてます。なので蓄熱を活かしつつ、蓄えた熱をコントロールして余熱を整えていくんですけど、その冷める呼吸に合わせるっていうか。
意図的に、あえて途中で火を当てたりして余熱を変にコントロールしようとするとブレちゃったりするんですけど、焙煎機の自然に冷める感じに合わせて焙煎してます。

そこはすごくわかります!私もGIESENの2kg釜を使っていて、蓄熱のことを考えた焙煎をしています。GIESENとPROBATとは親戚のようなメーカーですよね。
釜が小さいので変動が激しく、その日の気温や季節の変わり目の影響を受けやすく、計算通りにいかない難しさがあります。
逆に私は焙煎時間が長めで、量にもよりますが9分10分、長い時は11分かけることもあります。

なんか時間だけで比べると、かなり対照的って感じがしますね。

そうですね!
焙煎時間は色々検証して決めてるんですか?


そうですね。7分に収めたいとかは思ってなくて。長年の経験から今の焙煎時間がちょうどいいと感じています。
今後考え方が変わってきて、ちょっと長めに焙煎することもあるかもしれませんが、現時点では短めの焙煎をしています。

私も時間を決めて焼くというのはなくて、結果的としてそうなったということが多いです。それこそ、気候によって長くなってしまったりとか。
指標にはなるけれども、それで味を決めるっていうのはまた違うのかなと思います。

そこは数字でしかない。大事なのは飲んでみてよかったポイントに揃えていくか。
そこにとらわれすぎるとほんとによくないですね。
トレンドを超えて進化するロースティング

私はノルディックローストっていう、最初にバーンと火力を上げていってそこから下げていく、短時間の焙煎があるんですけど、それとは真逆で、後ろになるにつれて火力を上げていくという。
そういう意味ではトレンドには全く乗れてないのかなという(笑)

真逆ですね(笑)
ノルディックローストって、今もトレンドなんですかね?そう呼ばれる焙煎スタイルだっていうのは知識としてやったんですけど、業界でよく聞いたのは少し前のことのような気がします。

確かに、それこそ北欧のロースターさんが日本に来たくらいのあたりがノルディックローストの局地みたいな感じですかね。

当時と今では使ってる焙煎機が違いますよね。今は完全熱風のLORINGとかが流行ってきてるじゃないですか。そういうことを言ってた当時は、まだPROBATを使ってる人が多かった。
焙煎機も、どういう熱源で焼くかというのでは、結構変わってくるんじゃないかと思います。


当時は業務用焙煎機しかない時代でしたが、今だとaillioでお店やってる方とかもいるし。
焙煎するときに、どういう要素を使って焼くかを考えるんですけど、私は最初に一気に火力を上げるやり方はあまり得意じゃなくて。どんな熱源を使うのか、どうコントロールするのかをすごく意識します。
GIESENでの焙煎プロファイルも、熱源の操作や排気の調整が重要になります。同じ熱源を使っていても、焙煎機によって火力や排気の特性が異なるため、それぞれの要素をどう活かすかを意識しています。

逆に今使ってる焙煎機がもし壊れたりして、よそで借りなきゃとなった時に再現できる自信は全くないです(笑)。焙煎機が変わると、ほんとに変わっちゃうと思います。

PROBATの以前は他の焙煎機を使ってたんですか?

PROBATの前は、フジローヤルっていう国産の3キロのサイズでした。
フジローヤルを使っていた頃は、クロップスターのような焙煎データ記録ソフトは使わず、手書きで30秒ごとに温度上昇をメモって管理するってやり方だったんです。クロップスターを導入してからは、リアルタイムに表示できるし、ある程度の進行が予測できる。使ってみてめちゃくちゃよかったです。

ディスカバリーを焙煎機として持ってたんですけど、その時からアルチザンを使っていて、やっぱりログあるとわかるからいいですね。

そうですね。上昇率とか表示されるじゃないですか。そんな感じがちょっと画期的っていうか。
そういう意味では、僕は基本的に香りとか取らない。テストスプーンは全く抜かないっていうか完全にもう温度計だけを信用します(笑)。

私は堺原さんと違って、意外と香りで焙煎するタイプで。とはいえ、香りだけで判断するわけではないんですけど。香りはあくまで火力がを判断する手段のひとつで。基本、どういうとこを目指して焼くか、焙煎前に何度で仕上げるか、どんな味わいにしたいとか、そういうことを考えなきゃいけないじゃないですか。なので、ログを見たり進行状況をチェックしながら、いろんなデータを使ってやる必要があるのかなと思います。
テストスプーンは、デフォルトで抜いて香りをとるようにしてます。抜くなら、そのまま抜かなきゃいけないし、逆に抜かないなら最初から最後まで抜かない方がいいと思います。どちらかに統一しないと焙煎に影響が出るんですよね。うちは抜くなら最初から抜くっていうやり方で落ち着いてます。

厳密に言うとその辺で変わりますよね。要は息継ぎしてる感じですもんね焙煎は。
自分の嗅覚に自信がないんです。体で判断するっていうのは、逆にブレちゃいそうだなと思って、もう温度計でしか判断してないです。


RoRとか含めですか?

そうですね、割と今使ってるセッティングがクロップスターも使えますし、後付けでつけてもらった温度計があるんですけど、結構感度がいい温度なんです。付けてる位置もちゃんと豆に当たるところにつけてもらってるので、そこは焙煎中も進行を判断するにはちょうどいい感じなのかなと思ってて。
なので、そこまでカスタムしてもらって、そういう風な結論に至ったみたいな感じです。

それは正しい判断材料になるのなら、いい設備投資になりますよね。

そうですね。焙煎機によっては温度計のついてる位置が豆に当たらなかったり、使ってる温度計の感度が悪かったりするんですよ。それによって、同じ焙煎でも全然カーブが違ったりするんです。中で起きてる現象は全く一緒なのに、温度計が違うことによって全然別の判断をしてしまうことは本当にありえる。
あとは、温度センサーに煤が溜まると感度が悪くなるので、定期的に掃除してないとそこで感度が悪くなっちゃったりもする。

温度計が汚れてて感度下がるというのもあります。
ちゃんとやってらっしゃるんですか?

やってますよ。温度計命なんで(笑)
競技会を通して見えた、自分らしい焙煎の形

私は2023年の「1st crack coffee challenge」で、ありがたく優勝することができました。予選はサンプルの豆が届いて、それに近しく焼く。1年目はジャッジの方が判断して、2年目からは味の素さんのアロマ分析で、データで近い人が上がっていくという感じになった。
ou.bai.tou.riらしいアプローチで焙煎したときに、自分の実力がどれくらいなのかなと。たとえば、温度を徐々に上げながら焼く方法もあるし、香りを取りながら進めるやり方もあるし。そんな自分のやり方が、どこまで通用するのかを知りたかったんです。

僕の場合はいくつかの焙煎大会に出ていますが、1番評価してもらったのは「COFFEE COLLECTION」です。この大会は、素材の選定から自由で、自分が美味しいと思った素材を、自分の焙煎機で焼いて提出し、ジャッジに評価してもらう形式です。
他の大会では、フェアな感じで焙煎するために、指定の焙煎機を使用することが多いですが、「COFFEE COLLECTION」はそうした制限がなく、普段使っている焙煎機で戦えるのがすごくいいなと思ったんです。そういう意味ではすごくシンプルにチャレンジしやすいってのもありますし、毎年出てます。


毎年出場してて、ほんとにチャレンジャーですね。大会って結構どれ出るにも体力使いますよね。

そうですね。「COFFEE COLLECTION」は、ゆうても焼いて送っちゃえばいいので。
大会のために遠出して、普段使わない焙煎機で練習するために他店で機材を借りる方もいて、本当にすごいなと思います。そういう意味では、少なくとも美味しい素材を選び、美味しく焙煎できればいいかなと感じます。

私も「1st crack coffee challenge」は自分の焙煎機を使って送ればいいだけなので。
やっぱり自分の焙煎機を一番その環境で知ってるのは自分だという自負があるんですよね。

さっき焙煎機の呼吸に合わせるって表現しましたけど、そういうのって繰り返しバッチ数を重ねることで、ちょっとずつ分かってくることってあると思うんです。そういう意味でも、普段使い慣れた焙煎機で戦いたいっていうのはあるなと思いました。

普段から使い慣れた焙煎機で自分の感覚に合った焙煎ができると、コンディションも安定するし、気持ち的にも楽ですよね。
さっき話していた「COFFEE COLLECTION」での成果もありますが、インポーター主催の大会でも優勝されてますよね?やはり普段の焙煎スタイルが、その結果に繋がったんだと思います。

「COFFEE COLLECTION」は、どういう素材でもいい大会で、そこでALO Berryを出して優勝したんです。
その後に、「AMBESSAJAPAN ROAST COMPETITION」という、ALO Berryをインポートしてるインポーター主催で、課題豆がALO Berryの焙煎の大会があったんです。
先に「COFFEE COLLECTION」でALO Berryが評価された分、「AMBESSA」で負けると都合が悪いというプレッシャーもありましたが、ラッキーなことに優勝することができました。2024年はタミルのALO Berryで焼いて、そういう結果をいただいたんで嬉しかったですね。

でもALO Berryって、結構焼くのが難しい。

そういう方多いんですけど、これにはエピソードがあって。
「COFFEE COLLECTION」ではプロセスごとに部門が分かれてて、僕は毎年ナチュラルプロセスでエントリーしています。2024年もナチュラルでエントリーしてて、早めに素材を探してたんです。
よさそうな豆を買っててギリギリ届いて間に合うと思ってインポーターに詳細を確認すると、実はナチュラルではなく特殊精製のコーヒーだったんです。買い付けの時はナチュラルって聞いてたんですけど、全然話が違う。本当にギリギリだったんで、もう素材がなかったんです。それでたまたま手元にあったALO Berryを使うことにしました。
ただ、「COFFEE COLLECTION」って、優勝した場合イベントで販売する用に、最低10kgの生豆を確保しておくというルールがあるんです。手元には15kgしかなくて、うちの場合3kg焙煎で2回焼くと9キロになっちゃうんで、ちょっとレギューション違反になっちゃうんです。結果的に、1発で焼かなきゃいけないことになっちゃいました。

ALO Berryは前々からお店の提供用に?

いや、その時初めて焼きました。「COFFEE COLLECTION」は絶対優勝したかったので、そこまで考えて素材の選定までちゃんとやって、何回も焙煎して、しっかりとジャストして出そうと思ってたんですけど、そういうちょっとしたことがあったので、仕方なくALO Berryを1回焼いて出したんです。

きっと運命だったんでしょうね!

そういう意味では、エチオピアの導きがあった気がしています。こういうALO Berryみたいなコーヒーが僕の焙煎スタイルにすごく合ってたのかなって。
焙煎も短めで量も少なめで、さっと焼いてるんです。12キロのサイズに対して、ALO Berryだとキャパシティの25パーセントで3キロしか入れてないので。結構少なめの味が好きですね。

私も焙煎する時に、味が穏やかなら少なめにして、カロリーをかけて味を引き出すやり方をよくします。ALO Berryに関しては増やして焼いています。GIESENは排気がめちゃくちゃ強くて、豆が小さい分結構冷えちゃうので。
堺原さんは、きっと火力加減がすごい絶妙なんだとは思います。少ない量で、焦がさず焼けるっていうのは。今度少なめでやってみようかなぁ。

10位ぐらいまでに入れればいいかなと思ってたんですけど。運営の人から連絡いただいて、優勝ですって言われて「まじか」って!
互いの一杯に学ぶ、焙煎と豆選びの可能性

Coffee Wrightsさんには、たまにお店に伺っています。違うアプローチをしてるコーヒーを飲むのって楽しいし、シンプルに楽しいです。

ou.bai.tou.riさんのコーヒーは、イベントやパブリックカッピングをやる時に、お客さんが持ち寄った豆を試すことがあります。ユニークでカラフルな印象のコーヒーや、今までになかった味わいが表現されてるじゃないですか。そういうところが、間口を広げるっていうか、最初のインパクトって、きっかけとして、めちゃくちゃ面白いと思うんですよね。


実は、焙煎の幅はそれほど広くなくて、ブラジルとかグアテマラは苦手なんです。なので、豆のチョイスは高仲がやってますけど、私の焙煎に合いそうなものを選んでもらっています。
その結果、お店のラインナップとしても自然に馴染んでいます。焙煎だけで完結するものではないと感じています。

そういう分業性っていうか、買い付ける人と焼く人が違うのは面白いですね。一般的には買う人が焼くので。
そういう風なスタンスをとることで、バランスが取れるところって絶対あると思います。

味覚面ではしっかりとすり合わせてるので、私も「こう焼いてほしい」「こういう味を求めているんだな」と考えながら焙煎しています。
焙煎していても、自分の「美味しい」とお客様の「美味しい」は必ずしも一致しないと感じます。分業性ではそこを補ってくれるのはあるなと思います。
味のイメージをどう表現するかは、高仲が言葉にしたり、写真を入れたり、フレーバーノートを考えたりしています。ブレンドに関しては彼が作っている分、フレーバーノートも彼が書くことが多いですね。
私は味として表現する役割で、お客様にどう伝えるかは高仲の仕事。お互いに補い合っている感覚です。実際、ブレンドの名前やイメージについては、2人で話し合うことも多いです。
今後の展望と新たな挑戦

できるだけ産地には足を運びたいですね。これまでエチオピアには2回行ったんですけど、他の地域にも行ってみたいですね。って言いつつ、来週からエルサルバドルに行くんですけど。
今までエチオピアしか行ったことないので、アフリカと中米では環境や文化が異なり、エチオピアには独特の特徴があると思うんです。同じコーヒーでも、生産の違いを現地で比較できるのが楽しみです。

台湾と徳之島に行きましたが、同じアジア圏でも標高や環境の違いでコーヒーの印象が大きく変わります。
台湾はお茶やパイナップルの生産が盛んで、徳之島よりも農園らしい雰囲気がありました。アクセスしやすいし質も高かったです。アフリカや中米とも異なる特徴があり、それぞれのボキャブラリーの違いを感じるのが面白いですね。

台湾は生産国でありながら消費国でもあるから、消費者からのフィードバックが早いと思うんですよね。
そういう意味では、エチオピアのように高品質なコーヒーが輸出される地域では、フィードバックが消費される側に届いてから戻ってくるので、時間がかかります。国内で直接やり取りできる環境は、同じ言語で喋れるしコーヒーを美味しくする上で大きなアドバンテージだと感じます。

焙煎は香りやデータを見ても日によって変わるものなので、意見交換できる環境を大切にしたいと思っています。
私が焙煎を学んだ頃は、お店で働くか長年コーヒー業界に勤めるかが一般的でした。でも今は、誰でも気軽に焙煎を楽しめる時代です。その中で、どう伝えていくかが課題ですね。形式ばらず、分かりやすく伝える方法を模索していきたいです。

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