語り手: 店主/長澤 智之
多様な味わいが行き交う、甲州街道の一軒
甲州街道のいちょう並木に佇む〈かしわや珈琲〉は、杉床板や珪藻土の壁、和紙の天井など、自然素材で作られた空間が印象的だ。店主の長澤智之さんは、コーヒーを「ただの飲み物」から「多様な選択肢を持つもの」に変えることを目指し、広く受け入れられる場所を作り上げている。会社勤めを辞めた後、基礎から学び直すために、7年間〈堀口珈琲〉のセミナーに通い続けた。「〈堀口珈琲〉は、シンプルで真面目な考え方が自分に合っていました」と語る長澤さんは、コーヒーの味わいを深く理解し、自身のスタイルを確立した。
焙煎においては、豆の特徴を大切にしながら、その個性をはっきりと伝えることを意識している。「いろんな産地の豆が持つ味わいの多様さを伝え、肉屋や八百屋のように生きた情報を提供する場になりたいですね」。豆の個性を丁寧に伝える焙煎と、日常に寄り添う空間。その両輪によって、コーヒーの選択肢を静かに広げ続けている。
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