語り手: 代表/栢沼 良行
中米の風土とともにあるコーヒー
栢沼良行さんは、〈堀口珈琲〉で4年間焙煎士として研鑽を積んだ後、コーヒーの本質を求めて31歳で単身グアテマラへ。農園主たちと寝食を共にしながら、その土地に根ざしたコーヒー作りを体感した。エルサルバドルのコーヒー学校で学んだ後も、ニカラグア、コスタリカ、ホンジュラスを巡り、中米各国の風土や精製方法による違いにふれ、コーヒーの多様性と奥深さを肌で感じ取った。
「世界のコーヒーに幅を広げると、自分が一生かかってもわからないだろうと思って。そこで中米の専門店にしようって決めました」。そう話す栢沼さんが、帰国後の2008年に立ち上げたのが〈カフェテナンゴ〉だ。中米産スペシャルティコーヒーに特化し、農園や精製方法による味わいの違いを楽しめるラインナップを展開。焙煎は中煎りから中深煎りを中心に、深煎りでも豆の個性を損なわないよう細部まで神経を配る。一杯ごとに広がる風味の違いが、中米コーヒーの奥深さを教えてくれる。
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