語り手: ロースターバリスタ/江木 寛之
アーケードを抜けた先で、日常に溶け込むコーヒーを
高円寺駅南口を抜け、アーケードの喧騒が途切れた先。そこにふっと広がる、心地よいコーヒーの香り。ふらっと立ち寄る近隣の住民から、コーヒーを求めて足を運ぶファンまで、多くの人々を惹きつけるロースタリーだ。このエリアで、スペシャルティコーヒーをいち早く取り入れた店のひとつでもある。まだ一般的ではなかった頃から、高品質なコーヒーの魅力を伝え続けてきた。
店主の江木寛之さんが目指したのは、”特別すぎない、けれど記憶に残る”コーヒー。「毎日飲みたくなる味」を追求し、長く続く甘さの余韻を大切にしている。「シアトルの焙煎所で、店頭で焼いた豆をその場で買って帰る文化に衝撃を受けた」と江木さん。その体験が、この店の原点となった。一口目のインパクトではなく、じわじわと馴染んでいく味わい。派手さはないが、気づけば「また飲みたい」と思わせる一杯。
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