語り手: 店主/杉峯健司
会話のきっかけになるコーヒーを、酒屋の記憶とともに。
かつて酒屋だった場所を改装し、2017年にコーヒー豆の焙煎所として生まれ変わった。店主・杉峯健司さんが目指したのは、地域に根ざした酒屋のように、人と人とが緩やかにつながる場所だった。大きな転機は「自分の手で加工する」ことへの喜び。仕入れた商品を並べていたかつてとは異なり、焙煎という工程を通じて豆に個性を吹き込み、店としての価値を形にできる。その根底にあるのは、酒もコーヒーも「人との会話をつなぐきっかけ」だという杉峯さんの想いだ。
焙煎には、ダンパー搭載の日本1号機というGIESENを使用。高い蓄熱性を活かし、余熱を丁寧に使いながら豆にストレスをかけすぎずに火を入れていく。「香味を長く保つことを大切にしていて、時間が経っても美味しく飲める豆を届けたい」。そう語る杉峯さんの焙煎は、毎日の暮らしにしっくり馴染む落ち着いた味わいに仕上がっている。
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