語り手: ヘッドロースター /小玉 真知
焙煎をアートに。オンラインで進化する新しい形
日本のコーヒーシーンに新たな風を吹き込む〈ou.bai.tou.ri coffee roasters〉。2020年に創業、1ST CRACK COFFEE CHALLENGE 2023で優勝したヘッドロースター・小玉真知さんと、ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップ(JCRC)やジャパン バリスタ チャンピオンシップ(JBC)などで審査員を務める高仲渉さんが手掛けている。オンライン販売に特化したビジネスモデルを採用し、創業当初からECサイトを主軸に展開。実店舗を持たないことで、フットワークの軽さを活かし、独自のアイデアや企画を柔軟に形にしてきた。「創業コストを抑えつつ、手探りで試行錯誤を重ねながら成長することができました」と高仲さん。その言葉の通り、EC販売ならではのスピード感と自由度が、クリエイティブな挑戦を後押ししている。
その魅力は、コーヒーそのものだけでなく、そのパッケージデザインにも表れている。焙煎したコーヒーの味わいに応じて色分けされたラベルは、視覚と味覚をリンクさせ、商品選びをアート作品を鑑賞するかのような体験へと昇華させている。「コーヒーは表現の一手段であり、ひとつのアートだと思っています。焙煎を通じて“桜梅桃李”の世界観を表現し、私たちらしさを届けたいですね」と小玉さん。品質へのこだわりはもちろんのこと、楽しさや驚きを提供することにも重きを置いている。オンラインだからこそ可能な自由なスタイルで、コーヒーを通じた新しい体験を生み出す取り組みには、確かなセンスと情熱が光る。
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