語り手: オーナー/阪井 寛治
特別じゃなくて、毎日のコーヒー。手が届く極上の味わい
スペシャルティコーヒーは「特別なもの」じゃない。そんな信念を胸に、阪井寛治さんは今日も焙煎機の前に立つ。かつて〈上島コーヒー本店〉での経験を積み、その後〈ユニカフェ〉でスペシャルティコーヒーを担当。キャリアを重ねる中で、産地とのダイレクトトレードにこだわるようになった。「生産者の顔が見えるコーヒーを届けたい」。その思いが、店頭に並ぶ豆の一つひとつに宿る。特に注目すべきは、エチオピアの「完熟チェリープロジェクト」の豆。収穫時の完熟度を徹底管理し、甘みと酸のバランスを最大限に引き出したこの豆は、まるでフルーツをかじったかのようなジューシーさが特徴だ。「手間はかかりますが、そのぶん品質は格段に向上します」。
焙煎を担うのは、ドイツ製のProbat 5kg釜。まろやかで雑味のない味わいを生み出すため、細かく火力を調整しながら焙煎を行う。多い日には1日20バッチ以上、70kgを超えることもあるという。「できるだけ多くの人に、毎日気軽にスペシャルティコーヒーを飲んでほしい」。だからこそ、価格設定も良心的。高品質な豆と手間を惜しまない焙煎が、一杯のコーヒーに詰まっている。
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