コーヒー激戦区として知られる蔵前において、2013年に先駆け的な存在としてスタートした〈SOL’S COFFEE〉。その歴史は2009年、オーナーの荒井利枝子さんが移動販売車で営業を始めたことにさかのぼる。現在は蔵前エリアを中心に展開し、「毎日飲んでも体にやさしいコーヒー」を提供するという創業以来のコンセプトを貫いている。

大切にしているのは、焙煎前と焙煎後の2回にわたる欠点豆のハンドピック、そして飲みやすさとフレーバーのピークが重なる絶妙な焙煎の追求。中浅煎りから中深煎りを中心に、豆本来の個性を引き出したこだわりのコーヒーは、長年にわたり蔵前のコーヒー愛好家に親しまれてきた。「スペシャルティコーヒーは焙煎しすぎるとフレーバーや個性が損なわれると言われます。しかし、フレーバーをしっかりと残すことができるコーヒー豆は確実に存在します。そうした豆を活かしたコーヒーを作ることこそ、私たちの挑戦なのです」。

さらに2021年からは、荒井さんの実父が営んでいた鉄工所を引き継ぎ、「世界に誇る日本製の焙煎機メーカー」を目指す新たなプロジェクトを始動。挑戦を重ねながら、さらなる進化を続けている。