大阪・新千里東でスタートしたTERRA COFFEE ROASTERSの2号店は、マンションに囲まれた静かな住宅街の一角に佇むロースタリー。2021年のオープン以来、浅煎りのロースタリーが少ない北摂エリアで、地域のコーヒー文化に新たな風を吹き込んでいる。近くに広がる大きな公園や若い層の多い地域性もあり、多くの常連客に支持されている。「浅煎りを飲む文化を根付かせる手応えを感じています。もっと家でコーヒーを楽しむ文化が広がってほしいですね」と語るのは、JBC（ジャパンバリスタチャンピオンシップ）の審査員も務めるロースター兼バリスタの福井蓮笙さん。

店名の「Terra」は、ワインにおける栽培環境を意味する“テロワール”の語源から取られたもの。「テロワールがしっかりした、綺麗な酸を持つコーヒーを選んでいます。2021年のオープン当初から扱っているホンジュラスの豆は、現地のエクスポーターから直接仕入れている特別なもので、この店だけの一品です」と福井さん。「気づいたらなくなっているようなコーヒーが好き」という焙煎哲学は、豆の個性を引き出しつつも、2杯目に思わず手が伸びるような親しみやすい味わいを追求する姿勢に表れている。住宅街に溶け込みながらも、地域のコーヒー文化を先導する存在として注目を集めている。