築地場外市場の路地裏で評判を集めていたコーヒースタンドが、「飲み歩きの聖地」として知られる葛飾区立石に新たな店舗を構えた。店主の廣田賢一郎さんは、地域の特性を考慮し、価格設定に悩んだこともあったという。しかし、スペシャルティコーヒーの独特な味わいや廣田さんの人柄に魅了されたリピーターが増加し、少しずつ自信を深めていった。「今は、同じ価値観や好きを共有できるお客さんに来てもらえれば、それで十分だと思うようになりました」。

焙煎においては再現性を重視し、中浅煎りから中深煎りまでのシングルオリジン6種類を取り揃える。可能な限り産地を固定し、「あの時飲んだ、あのコーヒーを」というリクエストに応えられるよう工夫している。YAZAWA COFFEE ROASTERSは、ただのコーヒーショップではなく、一杯のコーヒーを通じて人と人、人と農園を繋ぐ架け橋となっている。