Bnei CoffeeとREINO COFFEE STOREが紡ぐ、コーヒーへのこだわりと情熱

ネルドリップコーヒーの透き通るような風味と、丁寧な抽出にこだわるBnei Coffeeの渡邊絵美子さん。そして、豊かな緑に囲まれた心地よい空間で、ドリップコーヒーやエスプレッソドリンクを気軽に楽しめるREINO COFFEE STOREの大友玲さん。提供するコーヒーのスタイルは異なるものの、どちらも一杯にかける情熱と探求心を持ち続けている。
今回、そんな注目の2人が対談し、それぞれのコーヒーに対する想いや日々の取り組みについて語り合った。ネルドリップの繊細な抽出がもたらす味わいの魅力や、エスプレッソの奥深さ、さらにはコーヒーを通じて伝えたいこと――。異なる視点からの意見を交わしながらも、そこに共通して見えてきたのは、コーヒーという存在への深い愛情と飽くなき探究心だった。
モーニングと食事メニューの背景

大友さんがうちに来た時、まだ食事メニューは提供していた?

うん、その時はまだ食事もやってた。


2010年に間借りカフェを始めたとき、朝8時から営業できる環境が整っていたから、朝営業をするならモーニングを提供しようと思って。

カレーも作って?

そう、カレーも作ってサンドイッチも作ってー。

モーニングは安かったよね。トッピングでゆで卵を50円で付けられるとか、手頃な設定だった。

モーニングを始めるなら、名古屋式でやってみようかなと思ってた。


営業時間も長かったよね。

そう、営業時間は朝8時から夕方6時まで、その間に朝10時から11時の1時間だけ焙煎をして。そのスケジュールを聞いたいろんな人から、「よくそんなにやってるね」って言われた(笑)
ネルドリップとの出会い

何がきっかけでネルになったの?

コーヒーにもっと注力したいという思いと、私自身がネルドリップのコーヒーが好きだから。ただ、最初は自分に合うネルが見つからなくて、思うように美味しく淹れられなかった!


なるほど、それが転機になったんだ。

それで木の下珈琲さんのネルを使い始めたらうまく淹れられるようになって。木下さんが福岡の珈琲美美の修行から帰って来た後、しばらく荻窪のネルドリップ普及協会でコーヒーを淹れていた時期があって。そのときに私が購入したのがきっかけ。

そうだったんだ。それがしっくりくる理由だったんだね。

木下さんが森光さんを尊敬して、教えを引き継いでいる背景もあって、私には木下さんのネルが気持ちの部分でも技術の部分でもしっくり馴染んで上手く淹れることができた。

食事提供からコーヒー専門へのシフト

食事をなくしたのは焙煎が忙しいから?

焙煎が忙しいのと、1人じゃコーヒー淹れながら食事は提供できない。コーヒー淹れるのが疎かになっちゃうから。だったら潔くてやめようと思った。提供に時間がかからないけど、美味しい食べ物を出そうと。

momomoさんのお菓子と。

そう、momomoさんのお菓子は、私が卸を始めようかな…と思ったタイミングでmomomoさんがお店に来て、その時momomoさんも他のお店に焼き菓子出したいなということで、オリジナルのブレンド作るねってことになって。

今はBnei Coffeeには何種類のブレンドあるの?

2種類。私が中深煎りのブラジルが好きなので、間借りしていた頃からこのブレンドは作ってた。もう一種類はエチオピアベースのブレンド。中煎りで香り高く、こちらも人気です!
エスプレッソへの情熱

大友さんはどんな感じ?

シャノアールのアルバイトで、コーヒーというよりも喫茶店の雰囲気が好きで。コーヒーがどうこうよりも喫茶店で働きたいって。そこでもうちょっとコーヒー学びたいなってなって。

喫茶店の雰囲気に惹かれて始めたんだ。そこでコーヒーへの興味が深まっていったんだね。

ちょうどスペシャルティコーヒーが広まった頃で僕自身もあまり詳しくなくて。それで自家焙煎してるところに行ってみたいと思って新宿の但馬屋珈琲に。そこではじめて焙煎機を触らせてもらって。
そうなると今度エスプレッソもやりたいって流れになって。日本橋の赤木屋珈琲に。そこでは焙煎もしてエスプレッソマシンも触らせてもらって。経験として大会とかも出させてもらって。


ふむふむ。

だからREINO COFFEE STOREの本日のコーヒーも取り置きではなくて、エスプレッソアメリカーノで。マシンで抽出したいなって。

そういうところにエスプレッソのよさがあるね。

コーヒーを提供するまでの仕草、そこがエスプレッソの魅力だなと思ってます。単純に見えて結構複雑で。一杯一杯抽出するので自分自身の気も引き締まるし。

自分の店ならではの魅力になるね。

アメリカーノも賛否両論あるんですけどね、好きな人もいれば嫌いな人もいるし。そこは気にせず自分の店だしやりたいようにやってる。そこに来ていただくお客さんを相手にできればいいなと。
ネルドリップも好きですけど、やっぱり一番好きなのはエスプレッソマシン。コーヒー屋さんなのでドリップもやらないとなっていうのもあって提供してますけど、ドリップよりもフレンチプレスの方が好きですね。

シャノアールっていろんな人がお茶しに来て、話したり仕事したりするっていう場を作りたい、それがコーヒーに特化して、根源的に好きになったきっかけが今の仕事になってるわけだね。

思い通りになってます。しいていうなら1店舗コーヒースタンドみたいなのを出店したいというのがあるかな。今のお店は最初にやりたかったスタイルになりました。

2年弱で早いね。

もう2年です。うちは全世代きますからね。赤ちゃんから大学生、3,40代からおじいちゃんおばあちゃんまで。土日は若い方が多いですね。土日は客層若くなります。

土日が20代の方もいらっしゃいますが、基本は30〜60代の方です。大体はお一人でいらして、コーヒーを味わったり、本を読んで思い思いに過ごしています。

客層が幅広いのは、お店の居心地の良さが伝わっている証拠だね。それぞれが自由に楽しめる空間が魅力だと思う。

進化する味わいと多様な客層

この2年弱でコーヒーに味の変化はある?

コンセプトは変わらないですけど、常に新しい味?を作っていけるよう、向き合ってます!

私もコーヒーの味は変わりました。昔は深煎り一辺倒でしたが、徐々に少しずつ深煎り〜中深煎りのコーヒーが好きになりましたね。提供する味もきっとその方向に変わってると思います。

生豆、焙煎、抽出と常に進化してますし。器具も色々新しいの出てますからね。

やはり自分が好む味でないとお客さんにも納得して提供できないですね。あと、ネル=深煎りという概念を変えていきたいなと。浅煎りでも中煎りでもネルドリップで楽しめるということ、もっと柔軟な飲み方をしてほしいかなと思ってます!
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