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ねるっこで抽出する繁田武之

「ねるっこ」って何?──家でも簡単にネルで淹れることができたらいいね、というところから始まった

2020.04.04
ねるっこで抽出する繁田武之さん

敷居が高くて管理が大変そうなネルドリップコーヒー。珈琲美美の森光宗男氏が企画・監修し、フジローヤルと共同開発した抽出器ねるっこは、簡単に専門店で淹れるネルドリップが再現できるという。「あわただしい毎日でも美味しいネルドリップコーヒーを楽しめる日常の道具」について、ネルドリップ協会の繁田さんに聞いてみた。

家でも簡単にネルで淹れることができたらいいね、というところから始まった

ねるっこを作ったきっかけはなんですか?

きっかけは珈琲美美の森光さんが作ろうって言い出して。家でも簡単にネルで淹れることができたらいいね、というところから始まった。

繁田武之繁田武之(はんだ たけゆき)。カフェ開業のサポートや、 生豆の買い付け販売などを行う「有限会社AJUDA」取締役、阿佐ヶ谷の自家焙煎珈琲店「ブラウンチップ」と昭島の「カフェ・ド・カルモ」のオーナー。上海で自家焙煎珈琲店の指導や開店立ち上げのコンサルティングの他、日本ネルドリップ珈琲普及協会の代表も務める。日本のコーヒー個人輸入への道を切り開いて来た人物。荻窪にある日本ネルドリップ珈琲普及協会の店ではお店にも立つ。

福岡にある珈琲美美の森光宗男さんですね。吉祥寺のもかで珈琲を学ばれた。

当初はその器具をネルドリップ普及協会で作ろうって話だったんだけど難しいって事になって。それでどこかで作ってもらおうってことでフジローヤルさんに全てのことをお願いして作ることになった。

森光さんはこだわる人だから、何度も何度も試作を重ねてこの形になった。

焙煎機でお馴染みの株式会社富士珈機ですね。

それで点滴で落ちるように孔の数が13個になってて、それも森光さんのこだわりからでてて。全て森光さんが考えたことなんだよね。

発案から企画まで全て森光さんなんですね。

全部森光さん。こだわる人だから、途中まで出来上がっちゃあダメになっちゃって。何度も何度も試作を重ねてこの形になった。

ねるっこはあまりコーヒーショップで売ってるのを見かけません。

燕三条の職人に作ってもらって。一個一個ハンドメイドで孔を打ち込んでるから、簡単には大量生産ができないんだよね。

繁田武之

淹れるテクニックは必要ない

ポットからお湯をサーバー一杯に注ぐだけですよね。

そう、だから誰でも簡単に淹れられる

自宅でもネルの味が出せると。

私も淹れる技術がものすごくあるわけじゃないから、それでもお客さんから美味しいって言っていただけるわけだからね。

抽出のテクニックは必要ないんですか?

お湯を一気に注ぐだけだから必要ない。

美味しく淹れるコツとかは?

初めに抽湯の量を少なくすれば圧力がかからないからゆっくり落ちる。逆にスッキリした風味に淹れたいのなら抽湯量を多くすれば圧力がかかるからバーっと出るでしょ。そうすれば味わいを変えられる。

抽出してる時にその場に張り付いてなくてもいいですね。

あとは淹れてる時に穴が詰まってきたりするから、その時は器具を回すことによって均等に淹れられかなっていうのがあるよね。

ねるっこポスター

ねるっこに向いてる豆はありますか?

深煎りをネルでドロっと抽出するというのはいいんじゃないかな。

ねるっこでジャパンブリューワーズカップ(JBrC)に出場したこともあるんだよ

どんな人が使ってるんですかね?

それこそジャパンカップテイスターズ(JCTC)2010年で優勝した珈琲蘭館の田原照淳さんはねるっこで競技会の予選に出たことあるんだよ

ワールドカップテイスターズチャンピオンシップ(WCTC)2011でも3位だった田原照淳さんですね!

これでジャパンブリューワーズカップ(JBrC)に出たことあるんだよ。これとスウィートコーヒーを使って出場したんだよ。

なぜまたねるっこで?

なぜこれで出たかっていうと、森光さんへの思い入れが強くて。スウィートコーヒーも森光さんがフィリピンのミンダナオ島で見つけてきた物だし、ねるっこも森光さんが開発したものだから。賞を取るとか入賞するとかよりも、これでチャレンジしたいっていう思いで田原さんはやったんですよ

そういうことだったんですね。結果はどうだったんですか?

結果はダメだった。けど、そういうのでチャレンジしてみるのもアリだと思いますよ。

Bnei CoffeeとREINO COFFEE STORE

勝ち負けとかでなく、なんか熱い思いを感じますね。

だよね。

日本ネルドリップ珈琲普及協会の店では特別な淹れ方はしてるんですか?

してない。ネルドリップ協会の店の淹れ方として60cc120cc150cc200ccってあるわけなんだけど。深煎りは量を少なくして少し濃くてもいいと思うし、逆に浅煎りは香りを重視するんであるならあまり濃いと酸っぱかったりエグかったりするのもあるから、それなら量が多くてもいいんじゃないかなって考えがあって。その時に抽出された量で味を変えることができるよね。

難しく考えないでネルの味を再現できるわけですね。

ねるっこで皆さんやってみるのもいいと思うけどね。

Photos & Interview & Text & Editor: 疋田 正志